紛争の内容
埼玉県内に住む主婦Aさんは、2人の小学生の娘がいましたが、夫Bからの暴力・暴言に長年悩んでいました。

Bは、Aさんに暴力を振るうのはAさんが自分の言うことを聞かないからだ、などと暴力・暴言を正当化していましたが、Aさんがついに子二人を連れて別居を始めたことで、Bは攻撃性を高め、子どもを返せ、などとAさんやAさんの実家に押しかけることもありました。

家に押しかけたBがAさんに暴力を振るい、Aさんは警察を呼び、何とかBから逃れることになりました。

交渉・調停・訴訟等の経過
Bは、Aさんに対し子を返せという話を繰り返し主張し、Aさんに対しこれからも暴力を振るおうとする様子がありましたので、保護命令の申立てをした上で、離婚調停及び婚姻費用分担調停も申し立てることにしました。

保護命令は出され、離婚調停。婚姻費用分担調停は不成立となったものの、婚姻費用分担調停は審判でAさんの請求通り婚姻費用の支払いをBに命じました。

離婚訴訟に移行した離婚請求はAさんの請求通り離婚と親権をAさんとすること、養育費、慰謝料100万円を認定しました。

本事例の結末
判決は確定し、判決にも基づいてAさんは離婚をすることができました。

本事例に学ぶこと
近年保護命令の申立て・認容件数は減少していると言われていますが、Bのように危険な配偶者から安全に逃れるためには、離婚調停等だけではなく、申立をすることも必要と感じました。

弁護士 相川 一ゑ