妻の代理・・・依頼を受けてから調停成立まで約6か月
妻 20代前半、アルバイト
夫 20代後半、会社員
子 1人(幼児)
勤務の関係上、夫が不規則な時間帯に生活しており、妻の子育てに協力せず、また、協力できない状態でした。そのような中、夫から妻に対して暴力があり、結局、妻が追い出される形で別居し、妻が相談に来たという事案です。
妻の代理人となり、離婚調停を申し立てました。当初、妻は相当額の慰謝料を請求していましたが、子供が夫のもとで生活していたこともあり、親権は夫が持つことになりました。すると、夫から「慰謝料を支払うと、子供の生活費をも圧迫してしまう」ということが主張され、妻もそのことはよく分かっていました。そこで、妻の方も慰謝料の請求金額にはこだわらないことにし、なんとか夫が捻出した100万円を和解金として受領して、調停3回目で離婚が成立しました。
この事例では、確かに、いわゆる慰謝料はほとんど取れていないに等しいものでした。しかし、妻も子供のことを考えて慰謝料の金額を低いもので納得し、他方、夫も子育てが大変な中、何とか和解金を支払ってくれました。取得できた金額が大きいことは、確かに、依頼者のためになることだと思います。しかし、それによって相手方とのわだかまりが拡大したり、子供の生活費が圧迫されるような事態が生ずれば、それこそ、本末転倒です。
本件は、夫と妻がともに苦しい中で前向きに離婚できた事案であり、私は、取得できる金銭の大小よりも、このような解決ができるようにしていきたいと考えております。
■親権者 夫
■養育費 定めず
■和解金 夫→妻 100万円