◆紛争の内容
離婚事件として依頼を受けましたところ,妻との別居後,子どもと全く会わせてくれない妻との交渉となりました。
◆交渉・調停・訴訟などの経過
調停としては,妻の提起した離婚調停に対して,面会交流と婚姻費用減額を求める調停を提起する形でした。面会交流については,裁判所内で行われる試行的面会交流に加え,双方代理人が立ち会う形で,受渡型の面会交流を積み重ねました。色々なところに行き,想定されるであろう事情に対して,できるだけ対応できるように取り組みました。
◆本事例の結末
無事に婚姻費用の減額,離婚,面会交流の調停をまとめることが出来ました。
面会交流の条項としては,頻度,日時,場所を特定し,代替日を設定することもしました。また,連絡の方法を明確に定めることや,面会交流に係る費用分担についても定め,離婚後における紛争を未然に防止する内容に努めました。
◆本事例に学ぶこと
より良い面会交流を実施するためには,面会の積み重ねが不可欠です。しかし,離婚問題を抱えていると,監護親から「会わせたくない」と言われ,話合いが平行線となることが多くあります。では,調停ではなく,審判により,裁判官に一方的に決めてもらおうと思いがちですが,面会交流(特に幼少期)は監護親の協力が不可欠であることや,審判では柔軟な解決が図れないことから,できるだけ調停でまとめるのが望ましいです。そのためには,代理人が立ち会い,面会交流の実績を積み重ねることが有益です。