紛争の内容
子が一人おりましたが、性格の不一致から、妻が、夫と子を置いて別居を開始し、代理人弁護士がついて交渉が開始しました。夫としては、1000万円以上の財産もあったため、弁護士に依頼しなければ不当な解決になってしまう恐れがあると懸念され、弊所の弁護士に依頼されました。
交渉・調停・訴訟などの経過
双方ともに、離婚することには争いがなかったので、調停ではなく、速やかに話合いを進めることのできる「交渉」をベースに進めることになりました。そのため、何度か、代理人弁護士間での面談、資料の提出を行い、主張内容は書面でやりとりを重ねました。
争点は、財産分与になりました。古くからの財産が混ざっており、資料からできる限り特有財産性を説明し、婚姻前財産や相続の時期からして、1000万円近くが特有財産であること(財産の大半)を説明しました。
本事例の結末
相手方は渋々ながらも納得した様子で、とはいえ婚姻費用の未払等も考慮し、夫側から、早期解決金として、150万円を支払う条件で合意することができました。
そして、この内容を公正証書として作成しました。
本事例に学ぶこと
交渉事件では、迅速に話合いを進めることができます。
結局、議論するべき内容は、調停、訴訟になっても一緒ですので、交渉がスムーズに進むのであれば、弁護士間で交渉を進めた方がよいこともあります。
もっとも、資料関係からある程度、共通の認識を代理人間で共有できるかどうかがポイントとなるでしょう。その点が異なれば、やはり、第三者である裁判官のジャッジを必要とする場面が出てこざるを得ないからです。つまり、いくら時間をかけても、交渉では埋まらない溝がある場合もあります。
どのような手続で進めるのか、よく検討する必要があります。