調停で決めたことを守ってもらえない場合(履行勧告)

家庭裁判所で調停が成立したにもかかわらず、その調停条項に定めた内容を義務者が履行してくれない場合はどうすればよいのでしょうか。

金銭を支払ってもらう約束などであれば、その調停調書に基づいて差押などの手続をすることも考えられますが、そこまでの手続はしたくないという場合や、面会交流などを実施してほしい場合などは、「履行勧告」という方法も検討すべきでしょう。

これは、裁判所で決めた調停条項の内容を守ってもらうように、裁判所から、義務者である調停の当事者だった者に対して、勧告してもらう手続です。

履行勧告の申し出は費用は掛からないので、非常に使いやすい手続ですし、義務者との対立を生みたくないという場合などにも使える利点があります。

ただし、その手軽さの代わりに、強制的な力はないため、その点はご注意ください。