紛争の内容
夫と1年程度別居した方が、自ら離婚調停を申し立てていたところ、途中から弁護士に依頼をしたいとのことで、当事務所に依頼して頂きました。

交渉・調停・訴訟などの経過
私どもは、お子さん名義の預金はお子様固有の財産なので財産分与の対象とならない、親御さんからから借りたお金で住宅ローンを返済したために住宅の財産分与の割合が有利になる、親御さんから借りたお金が預金に残っているので財産分与の対象から外れるという主張を行いました。

本事例の結末
お子さん名義の預金については、預金に入金されたお金が親族からの贈与であることを通帳にメモしていましたので、裁判所の裁判官がお子様名義の預金はお子様固有の財産であると認めました。また、親御さんから借りたお金で住宅ローンを返済したために財産分与の割合が有利になるという主張、及び、親御さんから借りたお金が預金に残っているので財産分与の対象から外れるという主張も相手方が認めました。

本事例に学ぶこと
お子様名義の預金については、どのような扱いがなされるのかについては、いろんな見解がありますが、入金されたお金が親族からの贈与であることが証拠上認められるような場合は、お子様固有の財産として財産分与の対象から外してもらえることがあります。また、夫婦の収入ではない、親族から借り入れたお金で住宅ローンを返済したり、借り入れたお金が預金に残っているという場合は、住宅の財産分与で有利な分与の割合を認めてもらえたり、預金に残っているお金を財産分与の対象から外してもらえることがありますので、その様な事例の場合については、検討をして有利な主張をする必要があります。本件ではこのようなことを学びました。

弁護士 村本拓哉