離婚の法律相談をする前に、どのような準備しておくと良いかについて解説します

弁護士への相談は相談料がかかりますし、弁護士も他の事件を抱えておりますので、相談時間には限りがあります。限りある相談時間の中で良いアドバイスをさせて頂くために、事前に準備をしておいて頂くと良い点を、解説をします。

離婚を求める理由について

離婚を求める理由について

相手が離婚を拒否している場合、離婚をするためには、離婚訴訟をするか、訴訟になったら相手方が敗訴するリスクがあることを説明して、相手方に離婚に応じるよう説得をする必要があります。

そして、離婚訴訟で離婚の判決をもらうためには、以下の法定の離婚原因が存在することを立証しなければなりません。

配偶者に不貞な行為があったとき。
配偶者から悪意で遺棄されたとき。
配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(別居、暴力、モラハラ等)。

そのため、相手が離婚を拒否している場合は、これらの事由が存在するのかを法律相談の中で判断する必要がありますので、離婚したい理由となった出来事を具体的にお話し頂き、また、証拠を持参して頂きたいと考えています。

そして、弁護士が聞き取りをする際には、いつ、どこで、誰が、誰に、どのような方法で、何をしたかについて聞き取りをしますので、これらの質問に答えられるように準備をして頂きたいと考えます。

また、なかなか、人には話しづらいという内容もあるかもしれませんが、弁護士は守秘義務を負っており、また、そういったお話の中に、離婚原因を強く主張するためのヒントが隠されている場合もありますので、なるべくお話をして頂くようにお願いします。

さらに、お話し頂く内容のみならず、それを裏付ける証拠があれば、裁判所や相手方を説得しやすくなりますので、相談の際には、夫婦の出来事に関する証拠をできるだけご持参頂きますようお願いします。

親権に関する事項

親権に関する事項

親権が争いになる場合、これまでのお子さんの監護実績が親権取得のポイントになります。

そのため、相談の際には、お子さんが生まれてから現在までの間、ご自身が育児にどのようにかかわってきたのか、また、相手方は育児にどの程度関わって来たのかを、お話し頂きたいと思います。

お子さんの新生児期、乳児期、幼児期、児童期、学生期ごとに、お子さんの朝起きてから夜寝るまでの一日のスケジュールにおいて、ご自身や相手方はお子さんの育児にどのようにかかわったのかについてご説明を頂きたいと考えております。

夜泣きのあった場合の対応、沐浴、ミルクや食事の用意、けがをしないように傍で見守る、お風呂に入れる、歯磨きをさせる、幼稚園や保育園に出かける前の準備を手伝う、幼稚園や保育園に送る、寝かしつけをする、幼稚園・保育園・小学校・中学校・高校の職員や父母との連絡をする、園や学校の子どもの行事に参加する、子どもの休日に遊ぶ、病院に連れて行く、自宅で看病をする等、様々な育児の関わりがありますので、これらについて、夫婦でどのような分担をしてきたのかについて、お話をして頂きたいと思います。

また、お仕事をされている方については、離婚後において、勤務時間中に誰が子供の監護をしてくれるのかについてご検討をしておいて頂きたいです。

財産分与に関する事項

財産分与に関する事項

離婚の際に、財産をどのように分けるのかが問題になることが多いですので、夫婦でどのような財産を持っているのかについて、お話をして頂けるようにして頂きたいです。当事務所の場合は、離婚の相談票をお渡しして、記入をお願いしておりますので、よろしくお願いいたします。

財産分与の対象となるのは、預貯金、保険会社で加入する保険や年金、証券会社や信託銀行で取引をしている金融商品、不動産、自動車、確定拠出年金、退職金等が挙げられます。

預貯金に関しては、ご自身が持っている金額を教えてくれないことがありますが、できるだけ教えて頂きたいところです。預貯金の取引履歴を調べますと、送金や出金によって、別の口座に預貯金を移動していることが判明する場合もあり、このようなことが後で発覚しますと、相手方の怒りを買い、相手方に財産を支払わなければならなくなることになります。

婚姻前にためた預貯金や、贈与や相続で得た預貯金については財産分与の対象から外れる場合もありますので、これらの点も含めて、預貯金の全てをお話し頂けますと幸いです。

また、退職金は財産分与の対象にならないのではないかと思いになる方もいらっしゃるかと思いますが、最近の裁判所の運用では、定年退職まで年数が掛かる場合であっても、退職金を財産分与の対象にしていますので、別居時や離婚していない場合は現在時の退職金額を調べておいて頂けますと幸いです。

まとめ

まとめ

以上の通り、法律相談の際に、あらかじめ準備をしておいていただきたい事項について解説しました。完璧に準備をしておいて頂きたいというのではありませんが、法律相談は概ね1時間程度で終わらせて頂いておりますので、時間内に適切なアドバイスをさせて頂くためにも、できるだけご準備を頂けますと幸いです。

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また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。

■この記事を書いた弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 村本 拓哉
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