紛争の内容
依頼者は、交際していた男性と婚約をしていましたが、男性の態度に問題があり、二人で話合いの末で婚約を解消しました。
しかし、数ヶ月後、男性から依頼者である女性に対して、不当な婚約破棄であって精神的損害を被ったとして、数百万円もの慰謝料請求をされるに至りました。

交渉・調停・訴訟等の経過
依頼者の話を詳細に聞いたところ、婚約といっても、結納もなく、きちんとした結婚式を挙げたり周囲に紹介したりということもなく、家族内々での記念式のようなものを行っただけでした。

さらに、年齢が若いことや、同棲期間もなかったことなど諸般の事情を詳細に整理しました。
その上で、そもそも婚約解消の原因が依頼者にあるわけではないことの根拠事由を詳細に明らかにし、慰謝料請求には応じられない旨の回答をしました。さらに、具体的な裁判例を複数挙げ、どう考えても相手方の請求は認められないことを主張しました。すると、相手方から非常に攻撃的な回答がなされるに至りました。

訴訟できちんと争うこともできましたが、依頼者が早期解決を望まれたため、訴訟で考えられる最悪のシナリオを前提とした金額を支払うことでの和解を提案しました。

本事例の結末
あらかじめ、裁判例も含めた見通しを先方に主張していたため、相手方もそれに気付いたのか、スムーズに和解をすることができました。その結果、請求額の9割減の金額で解決することができました。

本事例に学ぶこと
一言で婚約破棄といっても、慰謝料金額を増減させる要素が多数あり、丁寧に検討することが重要です、婚約破棄による慰謝料を請求する場合にも請求されてしまった場合にも、弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士 平栗 丈嗣