離婚専門チームの弁護士6名に加え、新人弁護士2名の計8名で、事例に基づく勉強会を実施しました。
今回のテーマは、審判前の保全処分を行った事例をもとに、報告、ディスカッションを行いました。
以下では、新人弁護士の声をご紹介いたします。
グリーンリーフ法律事務所離婚集中チームの弁護士が経験した、生の事例を通じて、弁護士がどのようなことを考え、どのような時間の流れで、どのように対応していったのか、一緒に事件を担当しているかのように追体験でき、大変勉強になりました。特に、本件事例では、保全処分に至るまでの流れ、立担保の具体的内容、法テラスを使った場合の担保金の確保という、実務書で知ることも困難な方法を知ることができました。その他にも、他の弁護士が悩んでいる、財産分与、報酬などについて、経験に基づく活発なやり取りを通じて、具体的方策を知ることができました。
グリーンリーフ法律事務所では、養育費部分については、子どもの権利ということで、報酬をいただいていません。養育費に限らず、その他の報酬について、依頼者様の負担を考え悩み、適切な報酬のあり方を議論されていました。どれだけ多く報酬を上乗せするか、というのが、一般的な法律事務所の考え方と思いますが、改めて依頼者に寄り添う、グリーンリーフ法律事務所の考え方を共有することができました。
【①離婚調停事件及び②審判前の保全処分(不動産仮差押命令申立)事件を申立て、保全処分の仮差押決定を受けた後、調停離婚成立により解決金として400万円の支払いを受けたケース】
依頼者である妻は、夫から離婚を要求され、妻子を残して家を出てしまった。夫は、離婚原因は妻にあるとして、財産分与等一切応じず、別居直前に自宅にあった自動車を勝手に売却してしまった。さらに、夫は、妻子が住んでいる自宅マンションも売ると言い出していた。夫の職場・預貯金等は不明で、自宅マンションのみが、判明している唯一の夫妻共有財産であった。自動車を勝手に売却してしまった経緯から、夫は自宅マンションを売却し、財産を散逸させる可能性があった。そこで、依頼者妻の代理人が、自宅マンションの仮差押えをするべく、審判前の保全処分を申し立てた。
申立にあたっては、申立人が財産分与を受ける側であること、自動車が売られた経緯から、生活本拠たる自宅マンションが売られてしまい、経済的に困窮した申立人にとっては、自宅マンションの処分を止める保全の必要性がある旨、疎明したところ、担保金200万円として仮差押命令が出された。
本案である離婚調停では、速やかに仮差押を解除してほしいとの夫の強い意向から、当初の提案である150万円程度の解決金のみの支払という条件から、大幅に譲歩した解決金400万円及び養育費を支払うことを認めさせるに至った。
弁護士 平栗丈嗣
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