財産分与割合の決め方

財産分与は、原則として、5対5で財産を双方に分けることが一般的です。

しかし、一方当事者が会社を経営しており、財産の大部分がその会社の経営により得られたものである場合、会社経営をしている当事者から、「財産は、自分の才覚と努力により形成したものであり、相手方は経営にほとんど関与しておらず、財産形成にかかわっていないので、財産の大部分は自分が取得するべきである」等という主張がなされることがあります。

このような場合、裁判例(広島高判岡山支部判決平成16年6月18日)によりますと、分与割合をどのようにするかについては、会社経営をしていない当事者が会社の業務にどのように関わっていたか(どれくらい重要な業務を行ったか)等を考慮して決定されることとなります。

一方当事者が名ばかりの取締役であり、会社の業務をほとんど行っていなかったような場合は、その当事者は財産形成に寄与したとはいえず、5対5の財産分与が認められないことも考えられます。

このような場合で調停や訴訟になりますと、会社でどのような業務を行っていたかということについて陳述書を作成頂いたり、尋問でお話しいただくことになります。