紛争の内容
依頼者であるAさんは,夫であるBさんとの離婚を迷われている段階で当事務所に来所されました。しかし,人生の一大事であり,確たる離婚原因はないが冷めきった夫婦関係を解消すべきか悩まれていました。そこで,最初の相談では離婚した場合における解決方法や解決イメージをお伝えすることに留め,当事務所の夫婦問題カウンセラーによるカウンセリングを引き続き受けていただくこととしました。
その後,Aさんは悩まれた結果,離婚を決断され,弁護士に交渉を依頼しました。
交渉・調停・訴訟などの経過
Bさんに対して,弁護士名義の内容証明郵便を発送し,離婚に関する協議を求めました。すると,Bさんとしてもまずは話を聞きたいとのことでしたので事務所における面談を実施しました。その際には,Bさんの本音等を聴き取ることができ,大きな成果がありました。そこで,具体的な離婚交渉を進め,無事に条件が整いましたので,公正証書にまとめ,離婚が成立しました。
本事例の結末
確たる離婚原因がなく,裁判まで見越した場合,相当粘り強い主張・立証が必要と考えられました。協議離婚は,無事に3か月でまとまり,高額な養育費や4700万円の財産分与を受け取ることができました。
本事例に学ぶこと
交渉の際のポイントは,相場的解決の理解を前提として,様々な場合を仮定し,より優位な主張をすることです。また,先方さんにも,特に代理人を付けていない場合には,どのようなメリット・デメリットがあるのかを分かりやすく説明する必要があります。また,初回の交渉において,方針が大きく決定することもありますので,弁護士としても細心の注意が必要であることを学びました。
ところで,離婚するかどうかの決断等については,夫婦問題カウンセラーが丁寧に優しく対応しますので,弁護士だけでなくカウンセリングについてもお考えいただければと思います。