紛争の内容
1年にわたり家庭内別居をしていた妻が、夫に対する離婚を求めて、離婚調停を申し立てることとし、同妻の代理人として弁護士が受任をしました。
離婚調停の経過
まず、相手方(夫)は、これまで夫婦間で暴力があった事実も否認し、調停では離婚理由がないとして争いました。
これまで夫は生活費を妻に対して全く支払ってこなかったため、妻は自らの貯金を切り崩し、親や兄弟からの生活していましたが、今回の調停では離婚だけでなく生活費(婚姻費用)の請求もすることとしました。
結局、夫は離婚に同意しなかったため、調停離婚は諦め、将来的な婚姻費用の取り決め及びこれまで支払未納となっていた婚姻費用の精算(調停申立時から調停成立時まで)をすることを定め、将来的な子の学費もきちんと支払う旨の条項を定めました。
本事例の結末
結局、離婚についての合意はできなかったものの、当面の生活費及び子の学費工面の目処が立ったため、妻は夫と別居することとし、ころ合いを見て改めて再度の離婚調停ないし離婚訴訟をすることとして事件終了となりました。
本事例に学ぶこと
離婚調停では、相手方が離婚について同意しない限り離婚ができないため、結局一番の要求である離婚をすることはかないませんでした。
しかし、今回、婚姻費用の支払を取り決め、これから離婚成立までの生活費の確保が可能になったことから、時間をかけても別居期間を踏まえて夫婦の破綻の事実を積み上げ、離婚に向けて進む段取りができたと考えられます。