?紛争の内容 
30代夫婦、子2名(長女10歳、長男6ヵ月)
長男の出産直後に夫Aの不貞行為が発覚。それをきっかけに夫婦関係は修復不可能な程に悪化。
妻Bの依頼を受けて離婚交渉を行うことになった。

?交渉・調停・訴訟などの経過
争点は、①AからBに支払う慰謝料の金額、②養育費の定め方、であった。
①については、先に不貞相手の女性から100万円の支払いを受けることができたので、その分を減額し100万円を支払ってもらうことで合意。
②については、子供達それぞれの学齢(小・中・高)ごとに段階的に定めたいというのがBの希望であったが、Aは将来の収入の見込みが分からないことを理由に一貫してこれを拒絶。交渉を重ねたがAは折れず、また調停等になった場合には合意がないとこのような定め方をすることは困難であることから、Bが譲歩し、その代わり、子の病気・進学等の特別の費用についてAも必ず応分の負担をすることで合意をした。

?本事例の結末
協議離婚成立。
子らの親権者は妻B。
養育費は月6万円。ただし、病気・進学等の特別の費用については、Aもその時の収入に合わせた応分の負担をすること。AからBに対し慰謝料として100万円を支払う。
面会交流については2か月に1回程度とし、長男が6歳に達するまでの間は必ずBの立ち会いのもと行う。
(上記の条件で公正証書を作成し、離婚成立となった。)

?本事例に学ぶこと
離婚に限らず、こちらの希望する条件が裁判になった場合に認められるものなのかどうかは、交渉を進めるうえでの重要なポイントとなる。
本件の依頼者は、自分の希望をはっきり主張しつつもその点をよく理解して下さり、程良いタイミングで譲歩したため、結果として、子に関する特別費用や面会交流につき有利な条件を入れさせることができた。