?紛争の内容
妻Aと夫Bはともに20代の夫婦で、子はない。共働きで双方の収入はほぼ同じくらいであった。
Aは、趣味を通じて知り合った男性と1年程前から不貞関係となり、それがBの知るところとなって口論となり、Aは自宅を出て実家に戻った。
Aからの依頼を受けて離婚の交渉を行った。
?交渉・調停・訴訟などの経過
Aは自分の非を認めており、Bに対して慰謝料を支払う他、財産分与(預貯金)においても2分の1を若干上回る申出を行った。Bは精神的に不安定になっており、かつBの側では代理人弁護士を立てていないため、交渉が一時足踏みした時期もあったものの、協議に応じていただくよう粘り強くお願いした。
?本事例の結末
協議離婚成立。
AがBに対し慰謝料として150万円を支払うほか、財産分与として対象となる預金の3分の2の金額を支払う。自宅はABの共有名義かつ夫婦ペアローンを組んでいる状態であったが、Aが残ローンの全てを引き受ける借り換えを行ったうえ、Aが単独で取得することで合意した。
?本事例に学ぶこと
有責配偶者である妻の側に資力があったため、然るべき金額の慰謝料支払ったうえ、財産分与でも相手方にとって有利になるような提案をすることができた。
夫婦共有名義かつ夫婦ペアローンになっている自宅不動産については、どのような清算をするか悩みの種になることが多いが、本件では、取得を希望する配偶者に銀行の(借り換えの)審査を通るだけの資力があったため、当事者双方にとって理想的な清算ができた。