紛争(事案)の内容
夫より生活費等の支払がなかったため、消費者金融などから借り入れを繰り返していた女性の事案。DV夫からの避難は成功し、生活保護による生計維持も可能となったが、弁済はできないため、やむを得ず自己破産を申し立てることとした事案。
事件の経過
まず、本件の特徴として、DV避難中という事情が挙げられる。
自己破産の手続きでは、破産手続開始決定等により官報で破産者の住所等が明らかになるため、DV加害者に現住所地が分かってしまう恐れがある。
このような懸念が現実化しないよう、裁判所には事前に上申をし、現住所地を明らかにせずに手続を進め、審尋を経て異時廃止・免責許可決定を得た。
本事例の結末
晴れて債務の免責を受けられた依頼者は、生計を立て直し、新たな生活をスタートさせることができた。
本事例に学ぶこと
DV避難中であるなど、プライバシーの保護要請が非常に高い案件に関しては、裁判所に法的手続きをとる際にも、事前に協議等をしておく必要性が高いので、その点は依頼者によく聞き取りをし、特殊な事情がないかも確認する必要があると感じた。