紛争の内容
依頼者はリタイアした夫婦で、長年にわたる我慢が限界を迎え、どうしても離婚したいということで弁護士に相談するに至りました。
交渉・調停・訴訟等の経過
依頼者の夫は、年金受給者であり、年金分割をするのであれば離婚に応じないという強い姿勢を見せていました。
そこで、弁護士から夫に対しアプローチをし、離婚してからであっても、年金分割や財産分与を求めることはできるという制度説明をすることで、離婚することを取付けました。夫も離婚自体を望んでいたため、無事に離婚することができました。
問題は年金分割でした。もっとも、どんなに争っても、基本的には年金分割は半分半分となることが大半です。そこで、調停を申し立て、裁判所の手続の中で解決を図ることとしました。
本事例の結末
夫は強硬な姿勢を見せ、年金分割には応じないという態度を見せました。そこで、弁護士から、今後の審判での強制的解決の見通しを、調停委員に働きかけることで伝え、最終的に争い続けることに意味がないことを理解していただくに至りました。
本事例に学ぶこと
法的に通らない主張であっても、弁護士が入らない当事者同士では譲ることができない事例が散見されます。そこで、問題解決の順番を意識して相手にアプローチをし、無事全問題を解決することができた事例となりました。
弁護士 平栗 丈嗣
