依頼者X(女性)は、夫であるAがY(女性)と不貞行為をしているのではないかと疑い、Aを問い詰めたところ、AとYとの不貞行為が確認できたため、AとYと三者で話し合いを行いました。
もっとも、AはXに対し、事を荒立てることなく円満に解決することを求めたため、XはYに対して以後Aと接触しないことを条件に慰謝料請求はしないことにしました。
ところが、Yはその後もAと接触を続けたことから、XはYに対して慰謝料を求めることにしました。
交渉・調停・訴訟等の経過
弁護士が代理人となって、Yに対し、不貞慰謝料を求める訴訟(裁判)を提起しました。
裁判でYは一貫して「Xは慰謝料請求しない」と言った、つまり慰謝料請求権を放棄した旨の弁解を繰り返しました。
そこで弁護士はXのその発言は、Aとの接触などがないことを条件に述べたものであって、無条件ではなく、条件が果たされていない以上は、慰謝料請求できる旨の反論を行いました。
本事例の結末
上記の経緯を踏まえ、裁判官は、こちらの反論を認め、Xは慰謝料請求権を放棄していないと認定し、その結果、不貞慰謝料として100万円が認められました。
本事例に学ぶこと
本件Yのように、不貞の事実について(実際は不貞の事実があったとしても)何らか理由をつけて慰謝料を支払わない旨弁解をしてくる相手方はいます。
しかし、証拠や合理的な理屈などから、多くの場合はきちんと反論し慰謝料を勝ち取ることは可能だと思います。
不貞慰謝料請求でお悩みの方は、是非一度弁護士に相談してみてください。
弁護士 小野塚 直毅