紛争の内容
依頼者である妻と強いモラハラ行為を行ってきた夫との離婚事件において、まずは生活費・子の監護費用を確保するべく婚姻費用分担請求調停を申し立てました。
交渉・調停・訴訟等の経過
夫側は代理人弁護士が就いているにもかかわらず、絶対に源泉徴収票等の収入資料を開示しないと強気の態度を示してきました。それぞれの収入内容等に争いがないにもかかわらず、このような夫側の態度により期日が空転してしまっていました。
そこで、このような態度が通常ではないこと、あまりにも対応しない姿勢を貫くのであれば勤務先に調査嘱託手続を申し立てるしかないこと、など調停委員を通じて強く主張していきました。
本事例の結末
最終的に夫側はなぜか源泉徴収票を証拠資料・疎明資料として提出はしませんでした。しかし、夫は源泉徴収票を裁判所に持参し、調停委員や裁判官だけにはこれを見せ、正確な金額を把握することができました。それを基にして、きちんとした計算をした上で客観的な婚姻費用金額を算定し、その金額をもって調停成立に至ることができました。
本事例に学ぶこと
特にモラハラ気質の夫の場合、不合理な反論をするだけではなく、本件のように無意味な嫌がらせに過ぎない行動をしてくることがあります。今後の動きを見据えながら、説得力ある法的な手続の流れを示すことで問題解決に至ることができました。
弁護士 平栗 丈嗣