紛争の内容
長年配偶者の言動に我慢をしてきたが、子どもが就職したことを契機に別居及び離婚を考えている、というご相談でした。
自ら離婚を切り出すことには抵抗があるということでしたので、交渉事件の代理人として受任しました。

交渉・調停・訴訟などの経過
別居日に配偶者に対して、同居に戻るつもりはなく離婚を考えているという内容の受任通知を送付しました。
配偶者からは、当初、離婚の理由がわからない、すぐには離婚には応じられないとの回答がされましたが、その後、配偶者にも代理人がつき、条件次第では離婚もやむなしと考えるとの意向に変化しました。

本事例の結末
配偶者は財産分与の割合を配偶者に有利に変更してほしいとの条件を提示してきたため、双方の財産開示等を行った上で、分与割合を配偶者7、依頼者3とすることで離婚協議がまとまりました。
交渉開始から離婚成立まで8か月程度という事案でした。

本事例に学ぶこと
離婚を切り出した場合、絶対に離婚はしないという回答もあり得ますが、元どおりの生活に戻るということは考えにくいため、条件次第では離婚を考えるという回答がされることが多くあります。
そこでいう条件は金銭的な条件であることが大半であり、相対的に大きなお金が動く財産分与で調整するということが少なくありません。
今回の事案では依頼者が可能な限り早く離婚することを優先したため7:3という分与割合で妥結しましたが、交渉次第ではもう少し有利な割合での離婚もあり得たケースかと思われます。
離婚に伴い何を最優先するかは個々の事案ごとに異なり、解決水準もそれに従って変化していきます。離婚をなかなか切り出せない等でお悩みの方は是非一度ご相談いただければ幸いです。

弁護士 吉田竜二