和解離婚とは、離婚訴訟の途中で、裁判所から和解が勧告され、当事者双方が合意して成立する離婚のことです。
離婚事件が裁判所主導の和解で終結するケースはこれまでにもありましたが、裁判上の和解による離婚が認められていなかったことから、離婚については協議離婚の方法をとり、財産分与等のその他の条件については和解の形をとっていました。
しかし、平成16年4月1日に施行された新しい人事訴訟法では、裁判上の和解による離婚が認められるようになったので、離婚そのものまで含めた和解ができるようになったのです。
和解調書の効力と注意点
和解調書は離婚訴訟の途中でも、離婚の合意がなされた場合に作成されます。
和解調書には判決と同じ法的な効力があるため、記された養育費の取り決めや慰謝料の支払い、財産分与などの支払いが滞った時には、強制執行を行う事が出来ます。
なお、和解調書に法的効力があるとはいえ、離婚届の提出は必要です。
申立人は和解離婚確定日を含め、10日以内に市区町村役場へ和解調書の謄本を添えて離婚届を提出しなければなりません。
また、裁判官から和解勧告があっても、納得出来ない場合、必ずしも応じる必要性はありません。客観的な見地から、和解に応じるべきかどうかは、弁護士にご相談ください。